10月からのドラマでは、予想通り大人気だった池井戸潤さん原作のドラマ化「陸王」。同じ時間帯では「半沢直樹」や「下町ロケット」など池井戸さんの名作を放送していました。
半沢直樹でも歌舞伎役者と芸人が上手く配役をされそれぞれ味を出していましたが、今回の陸王でも、歌舞伎役者枠では、市川右團次さんがカリスマシューフィッターを演じましたし、芸人さんに至ってはかなり多くご出演されていました。
陸王に出演した芸人さんを取り上げてみます。
最終回のネタバレと感想
[clink url=”https://doramemo.com/rikuou-saisyukai”]陸王の芸人出演者まとめ
陸王を見ていると芸人さんが出ていない回はないほど芸人率が高かったです。半沢直樹でも、笑福亭鶴瓶さんが重要な役で出演してましたが、今回は落語界、漫才、吉本新喜劇、かつて活躍していた漫才師など本当にたくさん出ていました。
■悪役のコバンザメ、アトランティス日本支社の佐山淳司
小藪一豊
小藪さんと言えば、吉本新喜劇では座長を務めただけあって、嫌味な役がとても似合っていました。「茂木くぅ~ん↑」という感じ悪い言い方も完璧なほど役に入っていましたし、いい感じの小物感がでてたと思います。
最後は、小原(ピエール瀧)に引導を渡し、自分はシューフィッターになると言ってまさかの改心でした。正直ここは、一緒に左遷されるかボロクソにアメリカの上司に怒られて無残な末路になって欲しかったというのが個人的な意見です。
■こはぜ屋の最長老、西井冨久子
正司歌江
この方は、ある一定の年齢の人ならわかる、かしまし娘のメンバーの方です。80歳を超えるご高齢でありながらあの存在感はスゴイと思います。ドラマの途中体調が悪くなり、世代交代の波が来ますが、元気に復帰をしてなおかつこはぜ屋での活躍はこれからの高齢化社会での高齢者の在り方を示してくれたような気がします。
しかし、最後の最後で口うるさい玄さんに喝を入れ、玄さんが「姉さん」と呼ぶくらいの大物だったとは誰が知っていたでしょうか。そんなオイシイ役どころをちゃんとこなしておられたのは、さすが大御所と言わざるを得ません。
■縫製課ナンバー2、水原米子
春やすこ
この方も、知る人ぞ知る方です。昔、春やすこけいこという漫才コンビで大活躍されていましたね。芸能人ネタで松田聖子ちゃんなどもバッサリ斬っていましたが、あの「ひょうきん族」でもレギュラーでしたし、当時女性コンビが少ない中、唯一美人コンビとして注目されていた人です。
解散してからは、親の介護とかで「あの人は今」的な番組でしかあまり見かけなかったように思います。
■埼玉中央銀行支店長、家永亨
桂雀々
嫌味な支店長役のこの方は、落語家の桂雀々さん。関西圏では、いろんな番組にご出演されていたのでよく知られた人でした。ドラマの最初は、収益が見込めないこはぜ屋に肩入れする銀行員の坂本を左遷したり、その上司の大橋に激を飛ばしたりと悪役も板についていました。
一般の銀行員としては当たり前の行動なんですけどね・・・。実際にはどう見ても危ない零細企業にお金は貸してくれません。なので、この支店長はドラマでは、冷徹な人として表現されていますが、仮にこういった人がいたとしても本当は業務に忠実な人でしかない真面目な銀行員です。
役としてはわかりやすい悪役でした。
■タチバナラッセル 橘
木村祐一
キム兄の渾身の演技でしたね。織物会社で中小企業の社長としてなんとしてでも業績を上げたいところに、アトランティスの魔の手が襲った時、迷いながらもその力に屈してしまう。しかしこはぜ屋の宮沢は面と向かって橘に怒りながらも、アトランティスには負け惜しみではなくちゃんとしてやってくれと助言するんです。
それをその場で聞いていた橘が、オイオイ涙する。
強い者に巻かれないと生きてはいけない辛さみたいなものがひしひしと伝わるそんな演技でしたが、タチバナラッセルには、もうちょっと信念を貫いてほしかった。
ヨネスケ
坂本が元担当していた零細企業の社長
零細企業にとって、応援する坂本は助け船。しかし、このヨネスケの企業はそんな真面目で優しい坂本のやり方が裏目に出てしまった例です。「もう勘弁してくれ!!!」と泣きながら坂本にすがるんです。
つまり、坂本が企業を立て直ししてあげたいという気持ちで融資を取ってきたものの、それが上手くいかず早く会社をたたんでいれば大きくならなかった負債が、坂本の誠意のおかげで余計にクビを締めたという結果をもたらしたのです。
まとめ
今回は、駅伝のシーンなど大規模な費用がかかったからかどうかは不明ですが、かなりの芸人さんがキャストとして加わっておられました。芸人さんというとどうしても演技はできるのか・・・と思ってしまいますが、やはり顔の売れている方々は、それなりにスキルをお持ちです。
芸人さんの演技で一番良い部分は、「味」だと思います。
俳優さんには出せない「味」が強みですが、陸王ではそれに負けない演技もたくさんありました。たくさんの人が関わった今回の陸王、脇を固める人やメインの方々のハーモニーもまた見どころです。